概要
最初のカラーテレビジョン放送は、それまでの白黒放送との両立性のあるもので、 1953年に米国においてNTSC(National Television System Committee)で 策定された規格をもとに放送が開始された。
一方、ヨーロッパのPAL(Phase Alternation by Line)は、NTSCの色相歪の改善を実現したもので、 いずれもアナログ放送としては完成度の高い技術である。 また、日本ではBSによるハイビジョン放送も開始された。
アナログ放送時代の放送局のスタジオ番組制作は、 送信されるフォーマットと同じフォーマットで行われることが原則である。 1990年頃、VTRのディジタル化や信号伝送のディジタル化が放送局で進んでも、 フォーマットの交流は、PAL⇔NTSCやNTSC⇔ハイビジョンなど限られたものであり、 測定器も各フォーマット専用のものが主体であった。
そして、ヨーロッパのDTVに続き1998年に、 ATSC(Advanced Television Systems Committee:米国次世代TVシステム委員会)が 18の放送フォーマットを決めて、米国でディジタル放送が始まった。
| 水平サンプル数 | 有効走査線数 | アスペクト比 | フィールド/フレーム周波数 |
|---|---|---|---|
| 1920 | 1080 | 16:9 | 60i, 30p, 24p |
| 1280 | 720 | 16:9 | 60i, 30p, 24p |
| 704 | 480 | 16:9 | 60p, 60i, 30p, 24p |
| 704 | 480 | 4:3 | 60p, 60i, 30p, 24p |
| 640 | 480 | 4:3 | 60p, 60i, 30p, 24p |
※60 Hz,30 Hz,24 Hzは、それぞれ59.94 Hz,29.97 Hz,23.976 Hzを含む
アナログからディジタルへと移行していく様子を最近の映像機器をみてみると、 業務用機器のディジタルハイビジョン化、ディジタル放送やMPEG2など、 また民生用機器のDVDやムービーカメラで用いられるDV等の圧縮信号やコンポーネント信号の一般化、 さらにはハイビジョンの普及というように多様化が著しい。

LV 5150D

LT 440D

LV 5152DA

LT 441D

LV 5170D
LT 442D
またインタフェースも、業務用機器ではSDI(Serial Digital Interface)が定着し、 民生機器ではIEEE1394、DVI(Digital Visual Interface:デジタル・ディスプレイ・インタフェースの規格) といったディジタルインタフェースが、セット間の伝送に用いられるようになった。
従って測定器も単に品質や精度といっただけでなく、 フォーマットやインタフェースによる分類も必要となり、 多様な製品が世に送り出されている。
リーダー電子は、業務用機器と民生用機器の映像関連測定器を開発・ 製造・販売しているメーカーである。 日本で開催された長野オリンピック(1998年)のHD-SDI伝送設備に間に合うよう 世界に先駆けてHD-SDIウエーブフォームモニター(以下HD-SDI WFM)LV 5150Dと1U の高さでラックサイズのHD-SDI信号発生器LT 440Dを開発した。
その後、第2世代機としてLV 5152DA/LT 441Dで、 マルチフォーマット化とHD-SDI WFMのデータダンプなどの機能強化を行った。
第3世代機では、1.5 GHzのHD-SDI信号のアイパターンを観測できるHD-SDI WFM LV 5170DとHDTV、 SDTV混用システムに適用し、アナログ・ブラックバースト信号の出力を備えたマルチフォーマット 信号発生器LT 442Dを開発した。 これらの製品は、日本はもとより米国を中心に海外でも多数使用していただいている。
そして、これらの製品を時代の要求に合わせて進化させた第4世代機として、
XGA解像度の液晶を表示器に採用したHD-SDI/SD-SDI WFM LV 5700と、HD-SDI/SD-SDI信号、
コンポジット信号、アナログゲンロックやアナログ・ブラックバースト信号などのユニットを装着して
1台でマルチフォーマットの信号を出力する信号発生器LT 443Dを開発した。
本稿では、第4世代機のマルチフォーマット・ビデオジェネレータLT 443Dについて紹介する。

LV 5700

LT 443D

